子沢山ファミリー 9 けちゃっぷ、命の代償【シムズ4】

悪の華、悪党オブ悪党なけちゃっぷの最終修行、結末です。
長いです、長文注意!

「やあーー!お久しぶり!呼んでくれてありがとうーサンキュッ!」
けちゃっぷは、いつぞの4回までやったが5回目はプレイヤーが躊躇してしまったので命を取りとめた、あのタウニーを呼び出した。
「あの時は死ぬかと思ったよ。君激しすぎ・・・もうやめてねほんとに死んじゃうから☆」

彼の名はカーソン・キャンベル。善人、怠け者、仲間好き。
「突然だけどカーソン、一緒に住まない?」
けちゃっぷは唐突に、カーソンに同居を持ちかけた。

仲の良いアクティブシムに、住まない?と言われて、断るタウニーが居るだろうか。
もちろんカーソンも二つ返事でOKした。

「いやぁーびっくりしたよ。いきなり住まない?とか言われちゃって。
けちゃっぷがこんな立派な家を持ってて旦那さんと別居中なんて、まあまあビックラコイタ。」

なぜけちゃっぷはカーソンと同居しだしたのか。
「この家だけ加齢ONにすればいいんだよ。しかも寿命は短いで。
そうすればすぐに老衰で死ぬだろ。手を汚したがらないヘタレプレイヤーのためにこうするのさ。」
でもけちゃっぷさん、そうするとあなたの寿命も削りますよ・・シニアに近づきますよ?
人の死を見る代償だよ。


ということで、加齢ON、寿命は短いにセットして、
何も知らないカーソンと、彼の死を待つけちゃっぷの、二人の暮らしが始まったのだった!

しかし寿命は「短い」だと、けちゃっぷがシニアになるのにシム時間であと6日間。
カーソンの寿命の残りはけちゃっぷの寿命バーの残りよりずっと少なく、見た感じ3日以内だった。
1日、2日と、カーソンのバーがどんどんENDに近づくのを見て恐くなったプレイヤー、寿命を「長い」にセットし直す。
こうすることによりけちゃっぷのシニアまでの期間は64日となった。カーソンにもだいぶ時間が残されたのでは。



「僕はね、仲間好き特質が付いてるでしょ?クラブにずっと興味があったんだよね。
それからパソコンで何か書いたり、プログラムの勉強をしたり、キャンバスに絵を描いたりしたかったんだ。」

カーソンはそう言って、自ら(自律で)執筆の練習をし、プラグインを作る練習をはじめた。
また、願望に「大皿料理を作る」を出して、楽しんで二人の食事のストックを作っていった。

その姿は、ずっとタウニーだったのがやっとアクティブになれたので、
短い寿命の間に、今までやりたくても出来なかった事を少しでも出来るよう、
夢中でこなしているようにも見えたのだった。

「カーソン、あんたクラブに参加してきなよ。」
けちゃっぷは彼の背中を押して、カーソンは「グッド・タイムズ」に参加することになった。
「今日はカードゲームとダーツをやってきた。ダーツはなかなか難しいねえ!もっと練習しなくちゃ。
みんなすごく良い人たちだったよ。思い切って飛び込んでみて良かった!」

子供のように無邪気に喋りまくるカーソンの話を、けちゃっぷはにこにこしながら聞いていた。
「生きてる間に、いい思い出がちょっとでも出来たらいいさ。」



ある夜のこと。
ベッドの中でけちゃっぷは、隣で幸せそうに寝息をたてているカーソンの横顔を見ていた。
そして考える。
「せっかくアクティブになったのに、コイツの命はあと少しで無くなってしまう。
この世にコイツが生きた証を残してやりたい・・・」
そんな暖かくも切ない想いが、冷血だったけちゃっぷの心に湧いてきていたのだった。
「まったくアタシらしくないね・・・。どうしたもんだか。
・・・そうだ。二人の子供を作ろうか。

カーソンの命を継ぐ子供をさ。」

子作りは2回チャレンジして成功した。

カーソンに「ビッグニュースを伝える」。
カーソンは、最初は実感の湧かないような顔をしていたが、次第に嬉しさがこみ上げて来ているようだった。
「僕の子供だって!?自分が子供を持てるとは思ってもいなかった!!」

妊娠したけちゃっぷが心配したのは、カーソンに赤ちゃんを見せてあげられるかどうかだった。
間に合ってほしい。子供が生まれてくるまで、どうか生きていて欲しい。
けちゃっぷは祈るような気持で妊娠期間を過ごした。

 カーソンはカーソンで、自分がもう長くはないことを、うすうす勘づいているようだった。
「ああまた寝ちゃったね。やあやあ申し訳ない。このところ体がしんどいことが多くてねえ。」
そんな中でも調子の良い時は、テラスで絵を描いたり、パソコンでプラグインを作ったりしていた。

とうとうカーソンの寿命のバーが一番端まで到達し、いつあの世に行ってもおかしくない状態になった。
けちゃっぷはカーソンに、クラブのメンバーを招いてパーティをすることを提案した。
「あんた友達はアタシとあの人たちしかいないじゃないか。
友達になってくれたお礼を言っておいたらどうだ。たまには皆で楽しみな。(最後の挨拶をしておきなよ・・・)」


それを聞いたカーソンはおもむろにけちゃっぷを抱きしめ、こう言った。
「ありがとう、けちゃっぷ。でも僕が一番お礼を言いたいのは君だよ・・・」
「カーソン・・・」
二人はクラブの仲間たちが見守る中、ひしと抱き合った。

パーティの翌日、けちゃっぷについに陣痛が来た。
「間に合った!!」
産まれたのは女の子だった。リリアン・キャンベルと名付けた。
「カーソン!あんたの子だよ!」

「僕の娘・・・。信じられない。なんて可愛いんだ・・・。
この子を大切に育てなくては・・・。でも僕はいつまでこの子の成長を見ていられるんだろうか・・・。」

寿命のバーが一番端まで到達してしまった後も、カーソンにはしばらくの猶予が残されているようだった。
いつものように執筆の練習をしているカーソンに、けちゃっぷは本を書いてみることを勧めた。

カーソンは夢中で書き上げ、出来上がった本をけちゃっぷはこっそり自分の所持品の中に入れた。
「アタシはこの本を、きっと何度も読み返すよ。
娘のリリアンにも読んであげるんだ。おまえのお父さんが書いた本だよって。」

残された時間を惜しむよう、二人はたくさん話をした。
話をしている中でカーソンは、けちゃっぷの生涯願望が「社会の敵」なこと、今最終段階にさしかかっていることを知った。
そして自分がなぜこの家に呼ばれたのかに気づいてしまった。
「なるほど、そういう事か・・・。」

カーソンはふっと笑顔になり、優しくうんうんと頷いた。
 
けちゃっぷが席を立って一人になると、彼は小さく、こうつぶやいた。
「僕の死が彼女の為になるなら幸いだ。最後に彼女にプレゼントを贈ることが出来て良かった・・・」

翌朝。
いつものようにパソコンに向かおうとしたカーソンは、ゆっくりと膝から崩れ落ち、
あたりを見回して床を何度かぽんぽんと叩いた後、静かに息を引き取った。
老衰による死だった。

 「カーソン・・・!!」
駆け寄って涙を流すけちゃっぷ。
大粒の涙がいくつも床に落ちた。
けちゃっぷの「シムの死を見る」ミッションは、こうして達成されたのだった・・・。

カーソンの魂を刈り取るため、死神がゆっくりと部屋に入って来た。

「お願いだ!あいつを連れて行かないでくれ!!
まださせてあげたいことがいっぱいあるんだ!!
カーソンを連れて行かないで!!お願いだよぉーー!!」

けちゃっぷは、我を忘れて夢中で死神にすがって泣き叫んだ。
死神は少しもらい泣きしたように、涙をぬぐう仕草をしたかと思うと

カーソンの魂を戻してくれたのだった!

「カーソンが生き返った!!」
思わぬ出来事に、カーソン本人もけちゃっぷも、半ば放心状態だった。

 「そ、そうだ。娘の顔を見せてやらなくちゃ。カーソン、あんたの娘を幼児に成長させるよ!」
そう言うとけちゃっぷは、リリアンのゆりかごから「年をとる」のコマンドを選び実行した。
リリアンは赤ちゃんから可愛らしい幼児に成長した。

「ほら!見てやっておくれよ。あんたの可愛い娘が大きくなったよ・・・カーソン!!

一度生き返ったカーソンだったが、シム時間ほんの数時間も経たないうちに、再び倒れてしまったのだ。
やはり老衰での死なので、死神に生き返らせてもらっても、またすぐ寿命が来てしまうのか・・・。

「だめだ!!連れて行かないでくれ!!」
再び死神に嘆願するけちゃっぷ。
死神は、「オッケー!じゃあ魂を戻すね!」といったそぶりをして
なんと再びカーソンを生き返らせてくれたのだった!

再び魂を戻してもらい生き返ったカーソンに、けちゃっぷは不思議な飲み物を手渡して言った。
「早くこれを飲むんだ!」
「なんだい?これ・・・」
「いいから早く!また死神が来ちまう前に!」
カーソンは言われるままその液体を飲み干した。



新しく作った子供部屋でリリアンを寝かしつけていたけちゃっぷ。
そこにカーソンがやってきて言った。
「すごく体が軽いよ!なんだか若返ったみたいだ!」
「そりゃそうだよ。アタシの願望ポイントで買ったあの薬で、実際あんたは若返ったのさ。
これでもうあんたはね、たとえ死にたくても、滅多な事じゃあ死なない体になったってわけだよ!」
「けちゃっぷ・・・」
カーソンは胸がいっぱいになって、ずっと言えずにいた言葉をついに口に出した。

「旦那さんと別れて、僕と結婚してくれないか・・・」

「・・・・・・・。アタシはあんたを殺そうとしたんだよ。」

「分かってるよ。だけど僕を何度も助けてくれた。死神に必死で哀願してくれた。倒れていたとき、目は見えなくてもね、けちゃっぷの声だけは聞こえてきたんだよ。
 それだけじゃない。年老いていつ死ぬかもわからない僕を、ずっと見守ってくれていた。料理を作って、皿を片付けて、赤ん坊の世話をしてくれた。
あと何日生きられるか分からない僕が、はじめて体験する色んな遊びやスキル・・・。それらをスムーズにできるように、ずっと陰でサポートしてくれていたじゃないか。
おまけにこの、元気な体までくれた。僕は感謝してもしきれないよ。けちゃっぷ、お願いだ。これからは僕が君を助けていきたいんだ。」

「善人と悪人、うまくやっていけるのかね。」

「君は僕と暮らしていた間、幸せじゃなかったかい?僕はとても幸せだった。
これから娘と三人で、きっと・・・必ず幸せに暮らしていけるよ!」

カーソンは必死に自分の想いを伝え、けちゃっぷを説得しようとした。
笑顔ではあったが声は少しうわずり、わなわなと小刻みに体を震わせていた。けちゃっぷはカーソンの震える体に気付くと、そっと包み込むように抱きしめて、こう言った。

 「わかったよ、カーソン。アタシにそこまで言ってくれる人はそうそう居ないね。ありがとう。」

こうしてけちゃっぷはファミリーしょうゆと別れ、カーソン・キャンベルと再婚したのだった!



どうしてこうなった!!ww←プレイヤー心の声

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