ゴージャス家 4 優等生ならすけの本当の気持ち(後編)【シムズ4】

真夜中のひとけの無い、マイシューノ・メドウズ。
ーーーーー
「でもあと一度だけ、試したい。僕の気持ちがそれで晴れるなら・・・。」

ならすけはそう思い、ひまわりとすずらんの住む家を訪ねた。

「ひまわりちゃん、居る?」
ノックをしても返事は無い。代わりに奥の方で、彼女らの悲鳴のような声が聞こえてきた。
「ひまわりちゃん!?」
カギはかかってなかった。急いで部屋に入ると・・

なんと裏庭で炎が燃え上がっていた!
グリルから出火し、すずらんに燃え移ろうとしていたのだ!

とっさに消火器を構えるならすけ。
間一髪、すずらんは命を取りとめた!
しかし火事が良く起こるなあ・・・

「ならすけ!すずらんを助けてくれてありがとう!ならすけが来てくれなかったらと思うと・・・。」
ひまわりは涙ぐみながらならすけに言った。

「うん。ひまわりちゃんは大丈夫?怪我は無い?」
ならすけはひまわりを抱き寄せると、手にキスをした。
「人命救助!」というムードレットで自信満々になっていたならすけ。ちょっと大胆。

「震えてる・・・。可哀想に。もう大丈夫だから。」
「ならすけ・・・泣」

少し経ち。

「ほんとにありがとう、後片付けまで手伝ってくれて。おかげで落ち着いたわ。すずらんもよく眠っているし。・・・ならすけに何かお礼しなくちゃ。」
「・・・じゃあ少し付き合ってくれる?」
「ん?」
「僕たち大人になってからまだデートに行ってないよね。」
「あ・・・・そうだったわね。」

ならすけが誘った場所は、サンマイシューノのマイシューノ・メドウズ。
広い公園と結婚式等の宴会をするための洋館が建っている。
夜になり肌寒かったので、二人は洋館に入り、暖炉の前のソファーに並んで座った。
誰も居ない洋館。ならすけは勝手に暖炉に火をつけた。

「勝手に火をつけて大丈夫?」
「後で消せば問題ないよ。」
「ならすけってそういうとこあるよね。普段は真面目なのに。」
ひまわりはそう言ってくすくすと笑った。
「ハハ。小さいころ、よく近所の公園で二人でいたずらして遊んだよね。覚えてる?あの時のひまわりちゃんったらさ。」
「ふふ、あったわねそんなこと。」

「・・・初めてキスしたときから、僕はずっとひまわりちゃんのことが本当に好きだった。それは今も変わらないよ。」
「・・・・・。」

「僕たち、もう一度あの頃に戻れないかな・・・。」
ならすけはそう言ってひまわりにキスしようとした。
「・・・!やめて。そんな気分じゃないの。」
ほんとはここでウフフに誘っています。断られて当然かと。
焦り過ぎなプレイヤーでごめん(汗)

「ひまわりちゃん・・・」
「私、そんなつもりでここに来たんじゃない。私、ならすけとはもう・・・」

「僕とは、もう?・・・僕は一応まだ君の婚約者だよ。」
「・・・ん・・・」

(僕とは、もう終わりにしたい。そう言いたかったんだね。でも言えないでいる。)
 胸が重く冷たいものに覆われ、しゃがみ込みそうになりながらも、ならすけはどこか冷静にひまわりを観察している自分がいるのを知った。

(物心ついたときからずっと、となりにはひまわりちゃんが居た。僕たちはずっと二人一緒に育ってきた。
でも、とうとう離れ離れにならなきゃいけない時が来てしまったんだな・・・。)

「ならすけ・・・?」
(明日からはもう、隣にひまわりちゃんは居ない。明日からずっと。一生・・・。)
ならすけは目を閉じ、自分の気持ちを整理しようとしていた。

「うん。わかった。」
しばらくの沈黙の後、ならすけが口を開いた。

「僕たち、もう別れよう・・・。」
「・・・・・。」

デートイベントタスクの横のタイマーをクリックし終了させると、ひまわりはすぐに歩き出し、さっさと洋館を後にした。

残されたならすけはまた、張り付いたような悲しい笑顔のまま立ち尽くすのだった。
(ひまわりちゃん。さよなら。)



プレイヤーからの指示の無い間、ならすけは2階に上がり、本を読んだりしていた。
そこで選んだ本がこれ。「心のあるがままの裏切り」。
シムが選ぶ本ってそのシムの心を代弁してたりすることあるよね。
でもならすけ。別れを切り出したのはならすけだけど、裏切ったのはひまわりちゃんのほうだよ・・・。人が良すぎるよ。

もう真夜中近かったので、ならすけも家に帰すことにした。
するとやっとならすけのムードレット前面に「悲しい」が出てきた。
今まで「自信がある」が邪魔をして、悲しくても悲しくなれない不思議な状態で居たのだ。

真夜中のひとけの無い、マイシューノ・メドウズ。
押しつぶされそうな重い夜空と裏腹に、ぽっかりと空いた心は妙にふわふわしていて、ならすけは歩いている感覚の無いまま、気が付くといつの間にか家に着いていた。

「ひまわりちゃん・・・。ずっと一緒だと思ってたのに・・・!!」

「・・・・・!!」



 しばらく泣いて、少し落ち着いたならすけ。
「ずっと一緒に生きてきたひまわりちゃんと別れるってことは、僕も生まれ変わらなきゃいけないってことだ。大丈夫。しっかりしろ・・・。」



ならすけとひまわりの別れの様子でした。
ひまわりちゃんとホワキンが相性が良かったからって、軽い気持ちで付き合わせてしまったプレイヤー。
ならすけには本当に悪いことをした・・・。

未来のゴージャス家を背負うならすけ。
彼には是非とも良いお嫁さんを見つけてもらいたい。
ならすけに幸あれ!!w


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